里山エッセイ
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凍てつく朝に
凍てつく朝に
正月じじいが来ぃました、
なんと言って来ぃました、
寒いと言って来ぃました。
お正月にやってきた正月爺が居座って、
この冬一番に冷え込んだ朝、
私たちは「若水」を汲もうとさてどこへ?
名づけて水見張り隊の面々、
家にあるものを全部着込んでだるまさながら、
でも被った帽子の中から、おめでとうと笑顔。
暑かろうが寒かろうが、降ろうが晴れようが
出動する水見張り隊。
「年寄りばかりが山へ行って大丈夫か?」と、家族の心配をよそに、
お正月早々、いそいそと検査の場所にやってきた。
気温氷点下1度。
足の先が凍るように冷たく痛い。
冬の空は晴れて青く、産廃処分場のある山への坂道はまっ白に霜、
さくさくと霜柱を踏んで、霜に萎えた大きなぎしぎしを踏みつけて歩く。
遠く白い雪を冠した佐那河内の山、近く眉山の山並み、
ここの過去を知らなければ格好の散歩道だ。
やあやあ、お変わりないかい?
私たちが宝とする一本のボ-リング孔。
多くの人たちの浄財で処分場にやっと掘れた一本。
寒風吹きすさぶ4年前の2月初め、
処分場には何が埋まっているだろうと自主調査した。
続けている水質検査は簡単。
計量目盛りをつけたビニ-ルひもをするすると下ろして、
ひもにくくり付けた細いガラス管で水を汲み引き上げる。
容器を洗う、又洗う、 そして測定する。
地下深くの様子、一体どないなっとんや?
ついそうつぶやいてしまう。
地下深くまで開けて調べ、不安を除き、
安心安心と子孫に手渡せたらどれだけ寿命が延びるだろう。
廃棄物の問題に頭の天辺から足の先まで捕まえられて、
電気伝導度計を操るやら、水紋分析という言葉を覚えるやら、
赤い水の正体は?と論議をしてみるやら、
新しい知識と実践が続いている。
若狭井から神聖な水を運ぶ東大寺2月堂の、
春待つお水取りなら嬉しいが、
若狭の井戸の水ならぬ、ボ-リング孔の若水では・・・・。
いつもと同じ数字の羅列を見ながら、
「まだ静かなんだねぇ」と誰かがぽつり。
そう先は長い。
振舞われたしょうが湯に笑顔が戻って、
凍てつく朝の恒例行事はお終い。
里山の風景をつくる会 理事
地球温暖化を考える-市民アクション2010-徳島代表 八木正江
2011年1月25日(火) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より
11年目の123
大晦日に降った雪が斑(はだら)に残り
寒気に明けた新年。
幸多かれと一年の先行きを祈る。
年の初めにまたまた書きたいことがある。
平成23年1月23日午後1時から、教育会館大ホ-ルで
「11年目の123」が開かれる。
百万言を費やしても語りきれない、
悔やんでも悔やみきれない冷厳な事実を
直視しながら準備が進んでいる。
「永遠に123 吉野川とともに」とうたわれたチラシに至るまで、
幾度議論が繰り返されただろうか、
「123は所詮勝者の論理、いつまでこだわる!」
「 いやこだわるのではない、飛躍への踏み台! 」と
右往左往のジグザグ問答が続いた。
けれど、吉野川の歴史にとって、
いや徳島に今を生きる私たちにとって、
住民投票が実現した2000年のあの日も、
前原大臣が可動堰中止を宣言した2010年3月のあの日も、
賛否の立場を超えて、
誰もが心から吉野川を愛したことに変りはない。
毎年巡り来る「1月23日」は
一人一人の心に永遠に生き続けるのだと信じたい。
若い人たちが言う。
こんどは自分たちが中心になって動いていくために、
あの時を、あの時からつながる今を知りたいと。
世代の移りを心強く感じながら、
1月23日教育会館に1000人の人たちが集えるよう
最大限努力しようと思う。
忘れもしない昨秋10月4日の出来事。
加藤登紀子さんおめでとうコンサ-トの感動はいまだ覚めやらぬが、
加藤さんには今回また駆けつけてて下さる。
深く感謝の意を込めてその日を待つ。
基調講演は、滋賀県の嘉田知事だ。
大熊孝先生(新潟大名誉教授・河川工学)、
宮本博司さん(淀川水系流域委員会委員長)には
何回もお出でいただく。
徳島において
市民が参加する「流域委員会」の設置ができるのだろうか。
吉野川の河川整備計画に、
第十堰を保存しつつ、
吉野川流域ビジョン21委員会が提示した
緑のダム構想を生かす治水戦略を入れ込まねばならない。
それはどのようにして?
先生方にお聞きしたい事は山とある。
カヌーイスト野田知佑さんと子どもたちの出番もある。
飄々と語る野田さんの語り口が聞こえる。
子どもたちの目が輝き、声がこだまして、
「11年目の123」は未来への扉を開くだろう。
チケット1000円(高校生以下500円)は各プレイガイドにて販売している。
問い合せ トエック(626-3436 )
里山の風景をつくる会 理事
地球温暖化を考える-市民アクション2010-徳島代表 八木正江
2011年1月7日(金) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より